インナーマザー

インナーマザー

インナーマザーとは、心のうちにある母親的副人格のことですが、自分を非難し、批判し、束縛し、否定するような負の影響力をもつものです。

インナーマザーとインナーチャイルド

催眠

インナーマザーとは、内なる母という意味ですが、これは良い意味には使われていません。母親への罪悪感が、子供の内心にとりこまれて、自分を批判したり束縛する過酷な批判者となったものがインナーマザーなのです。インナーマザーは、自分の無能、怠惰、醜さを責め立てます。その結果、子は成長して「仕事人間」になったり、「何もできない完璧主義者」になったり、拒食症、過食症、醜貌恐怖に陥ります。


自分の中にいる、幼き頃の母の残像がインナーマザーなのです。この存在は、自分の中にいるインナーチャイルドをたえず責めているので、この状態の人は、「生きにくさ」を抱えることになります。サバイバーとスライバーという見方があります。サバイブ(survive)は生き残ることを意味し、スライブ(thrive)は、成長することを意味しますが、小児科学でも言われる「成長の失敗」のある人、つまり、児童虐待などで、トラウマができてしまった人のことをサバイバーというのです。


親への怒りが強くて、いつも怒りを抱えています。治療者へも怒りや不信をぶつけるので、扱いにくい人々です。親を憎んでいるくせに、親と似たような行動をとるという特徴があります。子供を虐待したり、暴力的であったり、あるいはそんな男性とばかり付き合う女性になったりします。一方、スライバーとは、サバイバーであることを主張する必要がなくなった状態です。インナーマザーをコントロールできた状態、インナーチャイルドが癒された状態です。この状態の人は、一人でいることが自然に楽しめますので、誰かに依存する必要がありません。


そして親に関することで過剰な心的エネルギーを使う必要がありません。親を恨んだり、依存したり、報復しようという意識はありません。また、世間や他人の期待に縛られることはありません。人生を自分で選択して決定できる強さがあります。そして、自分が社会や世の中に受け入れられることを信じています。前世療法を適切な形で受けると、まさにこの状態になっていくので、さまざまな問題から脱却できるということなのです。


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