副腎疲労症候群

副腎疲労症候群

うつ病と誤診されやすい疾患に「副腎疲労症候群」があります。疲れやすい、だるい、すぐに寝込むという場合、副腎機能の衰えが原因かもしれません。

うつ病ではなく、副腎疲労症候群かもしれません。


副腎というのは腎臓の上にある小さな内分泌線です。人が何らかのストレスにさらされると、副腎は、ストレスに対抗するためにホルモンを分泌します。これが副腎皮質ステロイドすなわちコルチゾールです。何度も何度も大きなストレスにさらされていると、そのたびに酷使される副腎は次第に疲弊します。その結果、副腎の働きは低下し、健康な日常生活を送るために必要なだけのホルモンを分泌できなくなります。これが副腎疲労症候群(アドレナル・ファティーグ)です。副腎からは何種類ものホルモンが分泌されていて、それぞれが重要な働きをしています。

それらの分泌が不十分になると、体調が悪くなるのです。疲労感、全身倦怠感、無気力、うつ状態などが起こります。すぐに疲れるようになり、しばしば寝込んでしまいます。精神科で、うつ病と診断される人の中にも本当の原因が副腎疲労症候群であるケースが多いのです。抗うつ薬をいくら飲んでも効かない人は副腎疲労症候群かもしれません。アレルギー体質、アトピー、喘息、リウマチなどの人も副腎疲労症候群の可能性があります。特に病気がなくても、以前と比べて、非常に疲労感が強く、朝起きられない、日中もだるさがとれない、という人は、副腎疲労症候群の可能性があります。

副腎疲労症候群については米国の医師、ジェームズ・L・ウィルソン博士の著書がおすすめです。
「医者も知らないアドレナル・ファティーグ─疲労ストレスは撃退できる! 」

うつ病で心療内科や精神科に通院して抗うつ剤を飲んでいても一向に良くならないという方の中には、副腎が疲れることで起こる二次的な「うつ様症状」の方がかなりいます。そのような方の場合、コルチゾールのほか、DHEAというホルモンの分泌が低下していることがあります。普通のうつを患っている人のDHEAを測定した場合でも、うつでない人よりは低値です。このことから、メンタル疾患においては、副腎疲労症候群が合併していることが多いと考えられます。
久保征章の著書