0歳児保育と潜在意識

0歳児保育と潜在意識

0歳児保育を推進する政府の方針は、潜在意識という角度から考えると大きな問題をはらんでいます。

0歳児保育は愛着障害を起こしやすい

催眠

小児科医のJ・ボウルビイによると、無感動な精神病的性格を持った子供には必ずその過去に次の三つのうちいずれかの生活体験があると言っています(『乳幼児の精神衛生』)。
【1】三歳までの間、母も養母もなく、母性的人物との愛着関係を欠いた

【2】四歳になるまでの間のどこかの時期に三カ月から六カ月、母の愛が途絶えた

【3】四歳になるまでの間のどこかの時期に母親が代わった(母性的人物の変動)

このうち、【2】【3】ならば、私達の日常でいつでも起こる可能性があるものです。12歳ごろまでは抗暗示障壁が未発達であること、9歳より前ではほとんど存在しないことを考えるとこの幼少時の体験というのは、子供の心に一生消えることのないキズを残しているのです。0歳児保育もそれと似たような状況を人工的に作り出します。つまり、子供を愛着障害にしてしまう危険があるということです。そしてそれが成長してからの外界からのストレス体験をきっかけにメンタル疾患を引き起こすでしょう。子供は12歳前後までは、まだ母と子の世界という意識状態にいて外の世界からの出来事、働きかけに直接子供が影響を受けるというよりも、むしろ、母親の気持ちに左右されるということです。

その子の周囲でおこる出来事に対して、喜んだり、笑ったり、泣いたり、困ったり、怒ったりという反応をその子が示す場合に、それはすべて母親の気持ちに大きく左右されていくということです。母親が常にそばにいなければ、外の世界からの刺激にうまく対応できないということなのです。これほどに幼児期の環境が潜在意識への影響が大きいのに、0歳児保育などをして他人に育てられる環境に子供を置くことは子供の潜在意識への虐待といえるほどに有害です。潜在意識がものごとを暗示として受け取る場合、それはその人が心で思ったことの本質を吸収しています。肯定的な思いか、否定的な思いか、まずこの二つに大きく分類されます。幼児期のつらい体験や悲しい体験は、否定的な思いとして、潜在意識に入ってしまいます。

潜在意識は入ってきた暗示をふたたび現実化しようと無意識の行動を規定してきます。このため肯定的な暗示は肯定的な無意識行動を、否定的な暗示は否定的な無意識行動を引き寄せることになります。幼児期の体験が、成長してからのストレスをきっかけにメンタルの不調へと発展するのはこうした仕組みによるのです。しかし、大切なことは、潜在意識は日々に成長している点です。ただいま、ただいまの自分の思いや信念もまた潜在意識の中に次々に送り込まれていきます。そして日々に修正が加えられてもいるのです。

もし、いまのあなたが、日々に否定的な暗示ばかりを潜在意識に送り込んでいたらどうでしょうか?それでは、いつまでたっても、潜在意識は悪い結果ばかりを誘発することになってしまいます。否定的な暗示というのは、自分へのダメだし、他人への愚痴、不平不満、攻撃、被害者意識などです。潜在意識の働きには自他の区別がないという特性があります。他人を否定することが自分を否定することに、潜在意識の世界ではつながっています。子供に対しても同じです。

良い暗示を子供に伝えるには共感的、受容的な関わり方が必要です。責めたり否定したり比較してはならず子供なりの成長を見守ることが重要です。あなたが子供を信じ、愛し、ほめて、認めて、味方であり続けることだけが子供を救うのです。もし、すでに子供が愛着障害を抱えている場合、どうすればそれを改善させることができるかといえば、それは今からできることをしていくほかありません。いま、子供に愛情をもって共感的に受容的に接する努力をするしかないのです。

子供を愛着障害にしないためには、母親をまず教育し、愛着障害にさせない共感的、受容的な育て方ができるようにしつつ、母親が育てることが最善であることは、J・ボウルビイの研究からも明らかです。どんな言い訳をしようとも0歳児保育は絶対に正当化されることはありません。親が犯罪者や人格破綻者であるケースのような例外をとりあげて、0歳児保育を正当化するのは間違いです。私たちがなすべきことは、母親教育であり、母親が子供を愛着障害にさせない社会をつくることです。0歳児保育を広く普及させることを絶対に目的にしてはなりません。

0歳児保育を最初に広めようとしたのは共産主義の祖、マルクスやレーニンです。彼らは、子供を親から引き離し、工場のように大量に収容して育て、金太郎あめのようにまったく同じ質の国家に忠実な労働者を養成し、独裁国家をつくろうとしました。家族の絆を破壊し、バラバラの個の人間を増やすための巧妙な方法が、0歳児保育や三歳までの子を施設に入れてしまう政策なのです。母親も労働者として働かせ、子供は国家が管理して育てる。それはまさに、家族の絆や道徳を破壊して国を亡ぼす道なのです。これらを理解していただくとお分かりになるかと思いますが、0歳児保育でプロの手で育てるより、母親が育てるほうが、愛着障害を抱えるリスクは減ります。

そして、子育てが苦手だと自覚する親であればなおさら、子育てについて勉強し、愛情をどう伝えるかの創意工夫をするのが本筋です。子育てが苦手だといって0歳児保育に預けてしまって、子供から逃げても何の解決にもなりません。ただ、虐待や、子供を殺す親の場合は、もちろん、保護施設で親から隔離することも、子供の命を守るために必要です。それは例外的なケースの話であり、それを主にして考えるのは間違っています。

もっとも大事なことはその子の親としてあなたがそこにめぐりあわせているのは、あなたの魂の修業のためと悟ることです。また、あなたの前世での罪のあがないのためです。そのためにもあなたは子供を正しく愛することを今生で学びとらねばなりません。その子をお育てするお役目を神様から授かったと理解すべきです。0歳児保育に放り出し、その責任から逃げることを他者にすすめることは罪です。女性として生まれたことにも意味があるし、子供を授かったことにも意味があります。それと向き合い、最善を尽くさず、ほかに丸投げすることは、せっかくの魂の修業のチャンスを無駄にし、課題から逃避し、人生の最後に後悔を残すことにつながるのです。

セラピー

久保征章の著書