カルマ取りの儀式でカルマはとれない

カルマ取りの儀式でカルマはとれない

霊的能力者に依頼して自分のカルマをとってもらったというような話をしばしば見聞しますが、これは百%ありえないことです。その理由とは?

カルマや因縁とはどうすれば取れるのか?

催眠

世の中には、カルマ取りの儀式なるものをしている霊能者も多いようです。インド系やヨガ系のほか、密教系でもあります。ある儀式をすれば、カルマが取れるというのです。高額のお金を出すことがほとんどです。


このような行動によって、カルマは取れるのでしょうか。結論から言えば、ほとんど何も変わりません。つまり、カルマはこのような方法では取れません。カルマや悪因縁というのは、魂の生まれ変わりの中で自分が積み重ねた、積善と積不善の内容です。それは因果応報の作用を持ちますので、原因があれば、必ず結果が現れます。この原因を削り取ったり、結果をねじまげたり、ということは、カルマ取りの儀式などでは不可能なのです。何回このようなものを受けても、意味はないと考えて間違いありません。


カルマの流れを変えたり、悪因縁を解消したりする方法は、自分の積んだ原因に対する結果を受け取って、あがなうほかはないのです。誰かを苦しめたら、自分に同じ苦しみがふりかかることで、あがないが起こります。自分が悪い習慣を作ったり、悪い癖を持ったりした場合も、それを軌道修正するのは、自分の心がけと訓練しかありません。


もし、運命を好転させたければ、新たに自分が良い原因を作り、その因果応報の作用で運命の流れを軌道修正することしか方法はないということです。善因善果、悪因悪果の法則が厳然とありますので、善因を作り続けることだけが悪いカルマを取り除く方策なのです。


善因とは何かといえば、それは、ひとつは、利他の行為です。利他とは自分以外の存在のために善なる行動を積み重ねることを意味します。他を利する善行こそが、自分にもご利益をもたらすということです。もう一つは、自己の内的修養です。人格涵養、自己訓練によって、自分の悪い性格や悪習慣を時間をかけて、改めていくことです。これは、何度も挑戦を繰り返して努力するしか道はありません。


このように、利他の行為と、自己の内的修養という積善を新たに積み重ねることによってしか、過去からのカルマや悪因縁は変更できないのです。逆にいえば、自己の生き方を改めて、日々、良い種まきを続けていくのであれば、その因果応報の作用が、過去からの悪い因果応報の作用に修飾を加えて、その現れ方に微妙な差異をもたらすのです。それが大難が小難になったり、災い転じて福となすという現象につながるのです。霊能者やサイキックに依存するのはこの本質を知らぬ人が多いからです。まさに無知に付け込まれているのです。


一瞬でカルマが消える、瞬間にブロックが消える、悪因縁が抹消される、波動のエネルギーを送って、運命を変える、などなど、こうした言葉には決してだまされてはなりません。そんなことでは何も変わらないのです。また、守護霊の声が聞こえる霊能者というのも要注意です。本来の守護霊とは日常的にメッセージを霊能者に送ったりといったオカルト現象は現さないものなのです。そのようなオカルト的な現象を起こすのは、稲荷狐や霊能者の死霊などの邪霊がほとんどです。霊の声が聞こえる、メッセージが降りてくる、こうした類はすべて偽物と断じて、間違いありません。


邪霊でもそれらしいことを告げてくるので人間は簡単にだまされてしまうのです。しかし、こうした霊存在とかかわっていると、決して幸せになることはできません。少し良くなったように見えたとしても、一時的であり、実際には、いつまでたっても、問題は解決せず、ずるずると依存していくことになるのです。

セラピー

久保征章の著書