怠け心と心の休息の境界線

怠け心と心の休息の境界線

頑張りすぎると、人間の精神は疲弊します。 その結果、抑うつ状態になることもあります。ところが、ひとたび、休息に入ると、人間の心はそれに慣れてしまい、そのまま 頑張れなくなることが多いのです。

がんばりすぎない程度にがんばること


頑張りすぎると、人間の精神は疲弊します。その結果、抑うつ状態になることもあります。このような時には、心を休息させて回復を待たねばなりません。無理にそれを押して頑張りすぎると、うつ病をはじめとするメンタルの病気を引き起こすこともあります。ところが、ひとたび、休息に入ると、人間の心はそれに慣れてしまい、頑張れなくなることが多いのです。このため、あまり、いつまでも休息モードに入りっぱなしというのは実は危険なことなのです。どこかでけじめをつけて、再び、前向きに歩きださねばなりません。これができないまま、死ぬまで休息モードで生きてしまった場合、おそらくは死後の世界で、その怠りについて反省しなければならなくなると思います。仮に病気であっても、あるいはメンタルの不調があっても、その中でも少しでも前向きに生きて自分なりに出来る努力を続けて一生をまっとうしたのであれば、何の問題もないでしょう。しかし、少しはできるのに、病気に逃げ込み、言い訳にして、少しもやらなかった場合には、生まれてきたテーマを十分に果たせないまま、一生を終えてしまう可能性があります。そうなれば、その一生は失敗であったことになります。魂にとっては失敗であったという判定が下されます。

今生のテーマを果たせなかった魂はどうなるか

すると、次の生まれ変わりでは、その分も加算されて、よりしんどい一生を送ることで、足りなかった部分を勉強やりなおさなければならなくなるのです。最近、「がんばらない」とか「努力はしない」といったメッセージをしばしば目にします。しかしながら、人間が霊性進化のために輪廻転生している存在である以上、生きていく上での一定の努力、頑張り、向上は絶対に必要です。ハンディのある人であっても、その人なりにできることがあるはずです。それさえもやらず、ハンディを逃げ道にして楽な方にばかり行くのは、非常にもったいない人生を送っているといえるのです。自分に向いていない環境で無理に努力する必要はありません。自分の適性を考慮し、自分が生き生きと活動できる場に自分を置くことが大切です。環境のストレスでうつ状態になった人は、その環境を変えて再チャレンジをすると良いのです。自分に合ってない職場から転職したり、自分をたえず苦しめる人間関係から自分を解放して、悪い縁を断ち切ったりすることで、魂の息吹が回復し、人は元気になることができるのです。

生まれ変わりと才能

脳機能学者で催眠や潜在意識に詳しい方でも、生まれ変わりや輪廻転生は否定している方が多いです。しかし、ワイス博士やホイットン博士をはじめとする先達の医師達の症例を調べても、また、私自身の経験症例を分析しても、生まれ変わりの結果、前世で磨いた素養や才能が本人に受け継がれていることは間違いのないことだと思います。芸術の才能、学問の才能、経営や商売の才能、運動の才能、弁舌の才能など、才能や素養というのは、魂が輪廻転生する中で、磨いてきた魂の特質なのです。それでないと、なぜ生まれながらにすごい才能がある人がいるのか説明が難しくなりますし、「いや、それは環境が良かったからだ」といっても、「じゃあ、その環境に生まれたのは偶然か」ということになるのです。やはり、前世での積み重ねの結果、そのような良き環境に生まれるわけです。決して偶然にその両親のもとに生まれてくるわけではありません。今の自分に才能が乏しいとしたら、もしかしたら、前世での努力が足りなかったのかもしれません。しかし、それを嘆いて、今、努力をしなければ、永久に才能も素養も磨かれることはありません。今、努力したことは今生で報われるかもしれません。あるいは報われないまま死ぬかもしれません。しかし、その場合でもそれは素養や才能になって魂に焼き付けられ、次の生まれ変わりでは、その分が加算されてのスタートになるのです。

努力を始めるのに遅すぎるということはない

その意味で、努力を始めるのに遅すぎるということはないし、魂を磨くという観点からは、死ぬ直前まで人間は何かをなす意味があるということなのです。何に打ち込んだらよいのか、わからないという人は、とにかく学問を積んで学ぶことです。読書をしたり、習い事をしたり、いろいろなことに手を出し、自分の魂が感動するものを見つけることが大切です。いろいろな情報に触れたり、いろいろな体験をする中で、前世でもご縁のあったような分野とのめぐり逢いが必ず出てきます。すると、その分野に取り組むと不思議と元気が出てきて、楽しく生きがいを感じながら自分を磨いていけるようになるのです。
久保征章の著書