嫌なことへの向き合い方と成功法則

嫌なことへの向き合い方と成功法則

「がんばること」には、「良いがんばり」と「悪いがんばり」があります。より良いがんばりを持てば、魂は磨かれます。

潜在意識からみて、嫌なことをイヤイヤするのはなぜ有害なのか


自分にとって嫌なことを、イヤイヤ頑張っていると、さまざまな形でその反動が生じてきます。義務感、世間体、常識など何がしかの固定観念に縛られて、嫌なのにやめられない状態は、葛藤を生みます。これが持続すると、メンタル疾患を発症したり、または癌、膠原病などの病気になるかもしれません。たとえば、配偶者との不仲で長年苦しんだ女性に乳がんの発症が多いという研究もあります。ストレスが癌を誘発するのかもしれません。イヤイヤがんばるというのは、「悪いがんばり」となります。ただし、嫌なことでも、頑張ってもよい例外はあります。それは明確なゴールやメリットがある場合です。自分が欲しい資格を取るために勉強する、志望校に合格するために勉強する、このような場合は、たとえその勉強が嫌なものでも、そこには希望という明るい要素があります。出口が見える、期間限定でもあるでしょう。実際、試験に合格すれば、いろいろなメリットがあり、より幸せな人生が手に入るのです。このような場合の「がんばり」は良いがんばりであり、こうした目標への努力は魂を磨くことにつながります。「より良いがんばり」ならば、人生における幸福感を増し、喜びが増える結果となります。

自分には合わないとわかっていて無理に合わせる必要はない

しかし、自分には合わない仕事だとわかっているのに、出口のないまま、イヤイヤ働き続けたり、自分を迫害したり虐待したり脅すような人間といっしょにい続けたり、自分にとっては大嫌いな人であるにもかかわらず、その人と義務感で仲良くしなければならないと思い込んでいたり、嫌なことをイヤイヤ頑張っている状態なら、無理にそこにむかっても、結局、反動で、心身がダメになります。今の自分の特性や長所を活かして、それを磨くとき人間は生きがい、やりがいを感じることができます。そういった努力であれば、喜んで実践できるものです。自分が好きな仕事を頑張ればいいのです。自分がいっしょにいて心地よい相手と共に歩めば良いのです。そのとき、魂は大いに輝いています。魂が輝くような生き方をめざすと幸せが増えていきます。逃げようとしても逃げられない場合、もしかしたら、前世のカルマの負債があるからかもしれません。そんなとき、どうやって乗りこえるのかは個々のケースで違います。

苦しい環境との向き合い方

好きになる努力や仲良くなる努力を一定量、がんばってみることが学びであることもありえるでしょう。しかし、魂が輝くような生き方にするという方向性はいずれの場合も同じです。明るく前向きな夢と希望がそこにあるかどうかが重要です。職場なら転職、学校なら転校、夫婦なら離婚、恋人なら別離。こうした創造的破壊によって、人生の再構築をするほうが早く幸せになれるケースも多いです。夫婦の場合、双方に歩み寄りの姿勢があれば、関係改善もありえます。夫婦円満は理想ですが、それは前提条件として、双方に、相手を尊重する敬愛の念がある場合です。親子円満は理想ですが、それは親が子に愛情を向け、子が親に敬愛を向ける場合です。この前提条件が崩れると、話が変わってきます。

成功者になれる価値観を育てる

成功者になるには、成功者の価値観を自分にインストールすればよいといわれます。成功者がもっている価値観をそっくりそのまま、自分のものとして、とりこむことで、成功運を自分のものにすることができるのです。幼い兄弟姉妹がいたとすると、この子供たちには、まず、「成功者になれる価値観」を教えていくことが、本人たちを幸せにします。兄弟姉妹が、けんかしていたら、「兄弟姉妹は互いに力をあわせて助け合うべきもので、それができない兄弟姉妹はみにくい争いから滅んでいる。」「世の中の事件やトラブルはそうしたところから起こる。仲良い兄弟姉妹は、素晴らしい業績を残したが、そうでない兄弟姉妹はつぶしあって滅んだ」ということを歴史の事例から話してきかせるとよいでしょう。ライト兄弟や楠木正成、正季の兄弟のようにすぐれた事例もあれば、足利尊氏、忠義の兄弟や三代で滅んだ源氏のようにいがみあい、不幸になる兄弟もあります。何かあっても毎回、この次元まで話をひきもどして原則を教えるようにすると、子供の中に価値観のものさしが形成されていくのです。つまり、兄弟姉妹が互いに憎みあわないように路線をしいてやるのが親の務めでもあります。前世の縁もあり、仲が悪い兄弟姉妹もありますが、その場合こそ、今生では和解して許しあうことが大切なのだと前世の話から子供に教えてあげることが大切です。

生き方の指針を示している最高の教材は教育勅語

「教育勅語」の原文と口語訳を音読させることを日課にすると、子供は変わります。『成功者になれる価値観』を教えることが大切で、個別の事例だけでなく、根本にさかのぼることが重要です。教育勅語を読めば、そこに書かれているのは、人類普遍の道徳であると、誰にでもわかります。教育勅語は道義心を持ち、自分を磨く生き方を勧めています。どこの国の言葉に翻訳しても、その国の道徳教育にそのまま使える中身になっていることがわかるでしょう。こうした大原則というものが出ているのが古典です。「論語」や「大学」や「中庸」などの古典は普遍的な価値観を教えています。それをもとに日本風にまとめたのが教育勅語の中身なのです。教育勅語は、これらの古典の時代遅れの部分を削除し、日本人にあったものだけを抜粋しているのです。たいへんすぐれた行動指針です。ほかにも、マザーテレサの言葉をまとめたもの、聖書などさまざまなものがありますが、時代性や宗教性を帯びて、普遍性が弱い箇所も含まれます。その点、教育勅語は、きわめて普遍性が高い内容にまとめられています。子供だけではなく、わたしたちが、あらためてこれを読み返すと、得るところが大きいことに気がつくのではないでしょうか。
久保征章の著書