心のレジリエンスと潜在意識

心のレジリエンスと潜在意識

レジリエンスというのは、
柳の枝のような「しなやかな強靭さ」という意味の言葉です。
単純に「強靭化」と呼ばれることも多いです。

心のレジリエンス(回復力)を高める

魂の黄金法則

レジリエンスというのは、柳の枝のような「しなやかな強靭さ」という意味の言葉です。単純に「強靭化」と呼ばれることも多いです。「患者のレジリエンス(回復力)を高めるための認知行動療法スキル」といった切り口で使われています。国家の運営でも強靭化(レジリエンス)が大切です。南海大震災が起こったとき、どう回復するか、富士山の噴火災害がおきたら、どう回復するか、といった場合、道路、新幹線などのバイパスを国内に複数、増やしておく必要があります。メンタルの分野でいえば、何かショックな出来事や人生の苦難があったときに、誰でも一度は落ち込むわけですが、そこから、どのように回復するかという能力です。心のバイパスとは、「考え方の工夫(悟り)」です。レジリエンスが高い人は、早く回復しますし、落ち込みの度合いも少なくなります。

不測の事態に対処できる能力

あらゆるメンタル疾患を治癒させ、また予防し、メンタルを健全に保つために、心のレジリエンスを高める必要があります。そのためには潜在意識の仕組みを理解し、引き寄せの法則を会得することが大切です。レジリエンスの議論では、「Xイベント」という言葉が出てきます。Xイベントというのは、予期せぬ事態、不測の危機のことです。人生では、ふってわいたような試練がしばしばおこります。このXイベントをどう乗り越えるのか、というのが心のレジリエンスの強弱で決まります。人間には、顕在意識と潜在意識という二つの意識レベルがあります。ふだんの自分がいるのが顕在意識です。表層にある意識であり、意識化できる自分です。これに対して潜在意識は、無意識の世界です。ここには、生まれてから今日までのすべての記憶とか感情とか思考内容が全部そのまま保存されています。潜在意識は、無意識の働きなので、私たちの運命を支配しています。

レジリエンス弱体化の原因とは

幼い頃に、親に「お前は馬鹿だ」とか「お前なんか産むんじゃなかった」といわれて育つと、親から入れられた暗示の言葉が潜在意識にしっかりと入り込むのでそれに支配されてしまいます。その結果、「自分にはできない」という思い込み、「私は生まれてきてはいけなかった→幸せになる資格がない」という固定観念を持つようになりがちです。この意識は無意識で作用するので、本人は忘れています。しかし、人生のさまざまな場面において、その人を支配し、間違った選択や思考を誘発させて、幸せを阻害していくのです。その結果、その人の「人生脚本」は「不幸の物語」として、「レジリエンスの低いシナリオ」が書かれていくので、幸せになりたいと思っているのにもかかわらず、なぜだか知らぬ間に、不幸や不運ばかり呼び込むことになるのです。この潜在意識の働きは、「言葉」で運用されている仕組みです。したがって、言葉で支配されているのです。このことに気がつくことが大切です。

今と未来を創造することに集中する

過去の記憶に縛られて、開運できない人がいます。過去に両親、兄弟姉妹や親戚からされたひどい仕打ち、過去のいじめ体験や、他人から受けた悪意に打ちひしがれた記憶。失敗した記憶など。こういったものにいつまでも縛られている人がどうすれば、そこから脱却できるのかについてお伝えします。今の自分の意識上にあるものが、引き寄せられる、これが引き寄せの作用であり、潜在意識に働く仕組みです。ですから、過去のことを繰り返し思い出していると、過去の出来事に似た出来事が繰り返されるのです。そのため、過去の良いことや幸せなことを思い返すのは問題ありませんが、過去の悪いことや不幸せなことを思い返すのはまったくもってろくなことになりません。では、どうやって、過去のマイナスの記憶から自分を引き離せばいいのでしょうか。

今と未来に意識の焦点をあてる

そのカギは、今と未来をどうしたいのか、そこに意識を向けて、「今と未来を創造することに全身全霊を集中する」ことにあります。心に思うことを継続的に統制する訓練を日々の修練として、これに取り組むことです。例えば、自分の心の中にある性癖をマイナス的に分析して、あれやこれやと考えたり、あるいはそのマイナス要素のことで悩んで、ああでもないこうでもない、といった形で時間を過ごすことは、きわめて不適切となります。意識に浮かべるものが引き寄せられるのですから、意識には、幸せにつながるものを浮かべる必要があるのです。たとえば、「私はすべての人を愛しています。私はすべての人から愛されています。」といった「つぶやき」が日常茶飯事に心の中で繰り返されるなら、その思考のままに、「理想的な人間関係」が引き寄せられるのです。しかるに、「私は親から愛されていない。私は親を愛していない」といった過去の記憶について、いつも繰り返しているとどうなるかその引き寄せが何を招くのか、想像していただけばわかります。この場合、固有名詞は潜在意識には無関係です。潜在意識には主語がありませんので、作用はすべてに及びます。その結果、「人間関係でいつもいやな目にあう」という事象があなたの周囲に引き寄せられてしまいます。この悪循環を断ち切る必要があるのです。そのためには、意識を拡大させ大きな愛念を持つことです。

受け取り方の工夫こそ人生の一大事

もし、あなたが広く人を愛し、人類愛に目覚め、自分の家族だけではなく、すべての人のために善なる気持ちをもって、善事を実行することばかり考えるなら、そうした大きな愛念をいつも抱くように心がける修養をすると、自分の過去のことを、あれこれ考えるヒマがなくなってきます。今日一日を、何を考えて過ごすか、そこに運命改善の秘訣があるということです。あなたが日常考えていることが引き寄せられます。「私はすべての人に愛されています。私はすべての人を愛しています」この言葉を、心から言えるまで繰り返し、自分に言い聞かせていく必要があるでしょう。あなたを苦しめた人へのあなたの気持ちをどのように処理していけばいいのでしょうか。「その罪を憎んでその人を憎まず」という悟りを得るまで、「受け取り方の工夫」をしていくのです。憎らしき、いやらしき人であろうと、その人なりの魂の修行の過程にあります。彼らは、あなたよりも後の方を歩いているだけです。天はあなたに、彼らを導いて正道にもどしてほしいと願っているのかもしれないのです。それができる器量の大きな自分になるにはどうすればいいか、そこを考究することこそ、人生の一大事です。
久保征章の著書